授業スタイルを考える

さて、新学期が始まり授業も始まりました。今年は久しぶりの英語教育の現場復帰ということもあり、どのような授業スタイルでいくかを考え中です。

僕が現在教えている職場は英語を大学受験のために必要としている生徒が主ではないため、工夫しないと授業にはついてきてくれないように思います。proficiencyも高いとは言えない学習者が多いため、彼らが理解し何かを少しでも学んでくれる授業ができるといいとおもいます。

1~3年生すべての学年の授業に入っていますが、1年生は英語での授業、2,3年生は和訳先渡し方式での授業スタイルから入りました。これは、1年生がoral communication, 2, 3年生が英語の授業ということも考慮に入れて決めました。僕の学習者のproficiencyと教科書のレベルを比較して考えると、教科書のレベルがかなり高いので、「分からないからやらない」になってしまうような気がしています。従って、彼らにとって難しいテキストを如何に料理していくかがこっちの腕の見せ所なのかなと思っています。具体的に今考えていることは、1年生はWillis (1996)のTBLTのフレームワークが軸になりそうです。Willisのフレームワークを続けていく中で学習者に合ったスタイルを確立していけたらいいと思っています。一方、2,3年生は和訳先渡し方式で、英文の理解に時間をさくのではなく、英語にどれだけ触れられるかを考えていけたらいいと思っています。一度読んだだけでは間違いなく頭に残らないので、異なったタスクを複数行うことでその都度英語に目を通す量を増やし、結果として少しでも表現を学んでくれたらいいと思います。

今年はproficiencyが高くない学習者を中心にみているため、全クラスアクションリサーチするくらいの気持ちで取り組んでいかないとダメな気がしています。そのためにも授業記録をつけてきちんと自分の授業を振り返り、学習者ができること、わかることを扱いながら、限られた時間の中で如何に定着までもっていくかを考えなければいけません。もし定着が難しくても、「英語に親しむ」を目標に「英語の時間は楽しい、分かる」をとりあえずの目標に挙げて精進して行きたいと考えています。

英語を使い続けるということ

現在3種類の学校等を掛け持ちさせていただいています。その中の1つの学校では(almost) all Englishで授業を進めています。学生さんも大分慣れて来たようで、僕に対して英語で質問したり、英語で話そうとしてくれる人が何人か出てきました。非常に喜ばしいことです。

高校の新学習指導要領にも明示されていましたが、原則英語を用いて授業をすることは個人的に非常に大事なことのように思います。英語で授業をすると、初期の段階では教師側、生徒側もある程度苦しむ時期があると思いますが、こちら側が生徒に言うことを厳選すること、わかりやすい英語を使うこと、そして、教師が英語を使って授業をすることを楽しむことで、教師の思いは生徒に伝わるものであるように思います。

昨日の授業ではいわゆる「アクティブリスニング」をしました。これは例えば、

A : Where part of Japan do you most want to go?

B:  I want to go to Osaka

という会話の後に

A: Oh, you want to go to Osaka

と、相手の言うことを繰り返し、その後に相手にコメントや質問を投げかける、というもの。生徒は楽しみながらペアワークをしてくれていたように思います。このような会話の指導を通して、少しでも英語を使うことが楽しいと感じ、自ら進んでコミュニケーションをしていこうという気持ちを持った生徒を育てていきたいものです。

チャット活動1(失敗例)

授業の冒頭で1〜2分間のチャット活動を始めました。前期はペアを組みお互いが1分間あるトピックについて話す、モノローグ形式の活動を行っていたのですが、後期に入ったので、インタラクション形式で活動を行うことにしました。本日は二回目。

本日のお題はtravel。travelについて話しなさいといきなり言われてもwhere do you want to go?あたりしか出ないだろうなと思い、プリ活動としてこちらが7つほど質問を用意。それらの質問に答える時間を5分ほどとり、そこで考えたことをもとにtravelについて話してもらおうと思いました。

その後、ペアを組み、travelについて話しだしたのですが、どうも声の大きさや英語スムーズさがいつもよりも落ちていたので、急遽止めることに。ある種指示出しやし込みが失敗した訳ですが、どこが悪かったのだろうと反省してみることにしました。

今回の失敗の原因は少なくとも2点挙げられます。一点ずつ考えていきます。

1点目:指示が長過ぎ+曖昧すぎた
こちら側の意図としては、プリ活動で答えた7つの質問をヒントとして使い、travelについて自由に話してもらおうと思いましたが、生徒は何を話してよいか、どのように話してよいのか、プリで扱った7つの質問はすべてしないといけないのか、などといったことが頭によぎり、結局こちら側が何を求めているのかを正確に把握できていなかったように思います。また、上記のことを英語で指示したため、英語が複雑になり、理解することが困難であったように思います。より指示を簡潔に、そして、7つの質問からいくつかピックアップさせるなり、自分オリジナルの質問を考える時間を設けるべきだったように思います。

2点目:より深い内容を考える時間、活動を与えることが出来なかった。
7つの質問をプリ活動として与えましたが、生徒の背景知識を活性化するという点においては、より厳選した質問事項を2つほど用意し、それらに対し、より深く考えてもらうような活動を考えるべきでした。また、インタラクション活動に関する慣れによりチャットがあまり活性化しなかったということも考えられるので、より活性化するような方法を考えるべきであります。

チャット活動自体は生徒も楽しく取り組んでいる様子が見られるのでぜひ続けたいと思いますし、こちら側がより生徒の高いレベルの発話を引き出せるような指導方法や教材が求められます。しかしながら、指導方法などをよほど工夫しないと上手く行かないのも事実です。日々よいアイデアや考えを勉強していかなければなりません。