Park, S. (2010). The influence of pretask instructions and pretask planning on focus on form

プリタスクプラニング、プリタスク時の指示と学習者の発話中のfocus on formとの関連を調べた論文です。

実験参加者は韓国人大学生110名で英語学習経験は平均11年。用いたタスクは写真描写タスク(6コママンガの説明)で、この辺りは他の先行研究とほぼ同じといったところでしょうか。独立変数として、Instruction types (general instruction か specific instructionか)、planning conditions ( + planning / – planning ) 、language focus (lexical focus / morphosyntax focus )が用いられました。従属変数ではlanguage related episodes (LRE)が用いられました。この研究が他の先行研究と異なる点は、先行研究が発話のproduct面、つまり流暢さ、複雑さ、正確さを測定して来たのに対して、この研究では学習者のLREを測定したところです。

結果として以下のことが分かりました。

(1) 学習者はinstruction typesやplanningの有無にかかわらず、同程度の量のLREを表出した。

(2) instruction typesやplanningの有無にかかわらず、学習者はmorphosyntactic LREよりもlexical LREをより表出した

(3) specific instructionを行ったときの方が、general instructionを行ったときよりもmorphosyntactic LREをより表出した。

この結果だけを見てみるとinstructionの種類を変えることで学習者の注意の方向をある程度コントロールできる可能性が示唆されますし、実際著者もしているように思います。また、planningそのものはLREの量に影響を与えなかったことも新たな示唆と言えそうです。

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